初心者も間に合います!

ハーフマラソンの21.0975キロは、直線距離なら岐阜市から北名古屋市の距離に相当します。高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソンでは、約3時間の時間制限が設けられています。マラソン歴20年でペースランナーとして参加する野田正明さん(62)は、走った経験のない人でも12月、1月から準備し、2024年4月28日のぎふ清流ハーフマラソンで完走することは可能といいます。

「いきなり20キロではなく、ゆっくり長い距離に慣れることが大切。まずは5キロから」。徐々に距離をのばしていくことが大事といいます。ランナーに人気の岐阜市の高橋尚子ロード、名古屋城外周での練習がお勧めです。

初心者はタイムより完走を目標に。歩かず、走り続けると、ハーフ3時間切りを達成できるそうです。「まったく練習をせずに出場する人もいますが、走り慣れないとハーフは走れません」。距離の感覚をつかみ、体力と精神力をアップさせます。

シューズについては、筋力が十分についていないうちは底の柔らかい初心者用がお勧め。野田さんも最近、柔らかいシューズに替えたそうです。「ファッションから入っても楽しい」。所属するランニングクラブ「Feel岐阜」のピンクのウェアがお気に入りです。

ぎふ清流ハーフマラソンはアップダウンが少なく、タイムが出やすいQちゃん監修のコースです。13キロ付近の千鳥橋は野田さんの好きなポイントです。長良川の自然の景色でリフレッシュ。Qちゃんもお気に入りです。

千鳥橋
川原町の古い町並み

7キロ超地点の川原町では、あまり体験できない古い町並みを走り抜けます。野田さんは岐阜市出身。コースとなっている長良川堤防でよく練習したそうです。ふだん走れない岐阜駅前の大通り、街なかを走るのも楽しみにしています。

名前などの入ったウェアを着ると、応援の声が違って聞こえるそうです。他県の大会でFeel岐阜のウェアで走ったときには「岐阜がんばれ」。「びっくりするぐらいのパワーになります。エネルギーが噴き出します」。自分一人に向けられた言葉の重さに感じ入りました。

水分補給はまめに。野田さんはゴール後、倒れ込んだことがあります。低血糖でした。水のほか、あめなどでのエネルギー補給が必要です。1キロ7分30秒など、自分でペースを調整していくとよいそうです。

身近なランニングクラブに入ると仲間で励まし、教え合えるほか、交遊が広がります。野田さんは飲み会で異なる考えに耳を傾け、血圧値悪化時に仲間の医師にアドバイスを受け、ほっとしました。「マラソンに挑戦するんですから、まじめで悪いことをする人はいない。みんないい人です」。Feel岐阜では、運動経験がなく、運動音痴と公言していた女性が、10年連続でマラソンに出場しています。

野田さんは県立岐阜各務野高校の校長。休日の週1、2回、1時間から1時間半ほど走っています。生徒にこの話をしよう、など巡らせるのが楽しいといいます。野田さんが走るのは、健康と体型を維持し、新しい発想を喚起するため。「記録を目指すより、楽しみながら、健康的に走って」と願います。